のぼり屋さんドットコムTOP > のぼりのノウハウ > タペストリー > タペストリーの画質は「解像度」と「生地」で決まる!失敗しないデータ作成と素材選び
タペストリーの画質は「解像度」と「生地」で決まる!失敗しないデータ作成と素材選び
更新日: 2025年12月 9日 13:17
タペストリーの画質は「解像度」と「生地」で決まる!失敗しないデータ作成と素材選び

「スマホで撮った写真をタペストリーにしたいけれど、大きく引き伸ばしても大丈夫?」
「イラストの色味をきれいに見せたいけれど、どの生地を選べばいいかわからない」
タペストリーは、ポスターよりも耐久性が高く、高級感のあるインテリアや販促物として人気です。しかし、紙への印刷とは異なり、布への印刷には特有の難しさがあります。
よくある失敗は、「届いてみたら画像がボヤけていた(解像度不足)」や「思っていたより色が薄かった(生地選びのミス)」というケースです。
これらを防ぎ、満足のいく高画質なタペストリーを作るためには、「適切なデータサイズ」と「表現力のある生地」の2つを選ぶ必要があります。
この記事では、プロが教える「失敗しないタペストリー作成の鉄則」を解説します。
「高画質」なタペストリーを作るための2つの条件
美しいタペストリーを作るためには、以下の2つの要素が掛け合わさっている必要があります。どちらか一方が欠けても、「高画質」にはなりません。
- データの解像度(密度)
- 元の画像データに、拡大に耐えうる十分な情報量(ピクセル数)があること。これが低いと、カクカクしたモザイク状(ジャギー)になったり、ピンボケのような仕上がりになります。
- 生地の平滑性(きめ細かさ)
- インクを受け止める布の繊維が細かく、密度が高いこと。ザラザラした目の粗い生地では、細かい線やグラデーションが潰れてしまいます。
失敗しない「画像解像度」と「サイズ」の目安

「解像度」という言葉は難しく聞こえますが、要するに「画像の粒の細かさ」のことです。
WebサイトやSNSで見ている画像は、画面表示用にデータが軽くされているため、そのまま印刷に使おうとすると画質不足になることがほとんどです。
なぜ「Web用の画像」では綺麗に印刷できないのか
一般的なモニター画面の解像度は「72dpi」ですが、印刷物には最低でも「150dpi~200dpi」、高画質を求めるなら「300dpi~350dpi」が必要です。
つまり、画面上で綺麗に見えている画像でも、印刷用に引き伸ばすと情報量が足りず、粗くなってしまうのです。
【早見表】作りたいサイズに必要なピクセル数はこれ!
では、具体的にどのくらいのサイズ(ピクセル数)があれば良いのでしょうか?
実寸サイズで解像度200dpiを確保するための目安をサイズ別にまとめました。お手持ちのデータのプロパティ(詳細情報)と照らし合わせてみてください。
| タペストリーサイズ | 寸法 (mm) | 必要なピクセル数 (px) の目安 | 用途イメージ |
|---|---|---|---|
| A2 | 420 × 594 | 約 3,300 × 4,700 px | 店舗ポスター、観賞用 |
| B2 | 515 × 728 | 約 4,000 × 5,700 px | 一般的なタペストリー |
| A1 | 594 × 841 | 約 4,700 × 6,600 px | 大判の壁掛け |
| B1 | 728 × 1030 | 約 5,700 × 8,100 px | 特大サイズ |
| 等身大(例) | 600 × 1800 | 約 4,700 × 14,200 px | キャラクタースタンディ |
※上記は「200dpi(推奨ライン)」での計算値です。これより多少小さくても印刷は可能ですが、画質を重視するならこの数値を目標にデータを作成してください。
スマホの写真でもタペストリーにできる?

最新のスマートフォン(iPhoneなど)で撮影した写真は、多くの場合1200万画素(約3000×4000px)以上あるため、A2~B2サイズ程度であれば十分綺麗に印刷できます。
ただし、以下の場合は画質が落ちるため注意が必要です。
- 撮影後にアプリで加工・保存を繰り返した画像(画質が劣化している)
- LINEなどで送信された画像(自動的に圧縮されているため、必ず「オリジナル」を使用する)
- 暗い場所で撮影したザラつきのある写真
生地で画質が変わる!「ダブルスエード」が選ばれる理由
十分な解像度のデータがあっても、印刷する「生地」選びを間違えると、そのクオリティは半減してしまいます。
高画質を求めるなら、標準的なのぼり旗用の生地ではなく、タペストリー専用の上位生地を選びましょう。
一般的な「ポンジ」と高画質向け「スエード」の違い
- テトロンポンジ(標準生地)
- のぼり旗でよく使われる薄い生地。安価ですが、生地の目が粗く、インクが裏まで抜けるため色は薄く見えます。細かいイラストの再現には不向きです。
- スエード
- ポンジよりも繊維が細かく、少し厚手の生地。表面に光沢感があり、発色が鮮やかになります。写真やイラストを入れるなら、最低でもこのクラスを選びましょう。
最高品質なら「ダブルスエード」一択

同人グッズや、アニメ・ゲームショップの特典などで見かける「めちゃくちゃ綺麗なタペストリー」は、ほぼ間違いなく「ダブルスエード」という生地が使われています。
特徴: スエードの約2倍の厚みがあり、非常に高密度。
メリット:
- 高発色: インクをしっかり受け止めるため、黒色が締まり、色が濃く鮮やかに出ます。
- 遮光性: 生地が厚いため背景が透けにくく、絵柄がくっきり見えます。
- しなやかさ: 手触りが良く、高級感があります。
価格は上がりますが、「画質にこだわりたい」「作品の世界観を壊したくない」という場合は、迷わずダブルスエードをおすすめします。
入稿データ作成時の注意点(色味のトラブル回避)

最後に、データ作成時によくある「色味」のトラブルについて解説します。
モニターよりも少し「落ち着いた色」になることを想定する
パソコンやスマホの画面は、光で色を表現する「RGBカラー」ですが、印刷はインクで表現する「CMYKカラー」で行われます。
RGBにあってCMYKにない色(特に鮮やかな蛍光ピンクやネオングリーンなど)は、印刷時に自動的に近い色に置き換えられるため、画面で見るよりも少し落ち着いた(くすんだ)色味に仕上がります。
これは物理的な仕様のため、完全に回避することはできません。データ作成時に、最初からCMYKモードで色を調整しておくと、イメージのズレを防げます。
文字やロゴは端に寄せすぎない
タペストリーは上下を袋状に縫製し、パイプを通す加工を行います。
そのため、データの上下ギリギリに文字やロゴを配置すると、縫い目にかかって読めなくなったり、パイプのカーブ部分で見えにくくなったりします。
上下50mm程度は重要な要素を入れないようにレイアウトするのが安全です。
まとめ
高解像度できれいなタペストリーを作るためのポイントは以下の通りです。
- 解像度: 印刷サイズに合わせて「実寸200dpi以上」のデータを用意する。(B2なら約4000×5700px)
- 生地選び: イラストや写真の美しさを引き出すなら「ダブルスエード」がベスト。
- データ作成: 文字は端に寄せすぎず、色はCMYK変換の変化を考慮する。
お気に入りの1枚を最高のクオリティで形にするために、ぜひ「データ」と「生地」にこだわってみてください。
当社では、データの画質チェックも行っておりますので、不安な方はお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1:画像の解像度が足りているかわかりません。確認してもらえますか?
A1: はい、可能です。ご注文前やデータ入稿時にご相談いただければ、印刷に適した画質かどうかをプロがチェックいたします。「印刷すると粗くなりますか?」とお気軽にお問い合わせください。
Q2:ダブルスエードとスエード、見た目はかなり違いますか?
A2: 並べてみると一目瞭然です。ダブルスエードの方が生地の密度が高いため、白地の部分もしっかりとした白さがあり、印刷された部分の色もより深く、濃く表現されます。また、裏側からの透けにくさも大きく異なります。
Q3:WordやExcelで作ったデータでも入稿できますか?
A3: 入稿自体は可能ですが、WordやExcelは印刷専用ソフトではないため、色味が変わったり、レイアウトが崩れたりするリスクがあります。可能な限りAi形式(イラストレーター)に保存して入稿を推奨しています。
記事一覧

- タペストリーの画質は「解像度」と「生地」で決まる!失敗しないデータ作成と素材選び

- タペストリーサイズ別おすすめ用途・デザインのご紹介

- シーン・用途別タペストリーのデザイン・選び方

- タペストリー用語集|制作前に知っておきたい基礎知識

- タペストリーを看板として活用するメリットは?効果的なデザインや設置方法を解説

- タペストリーの取り扱い生地一覧

- タペストリー広告とは?メリット・デメリットや制作のポイントを解説!

- 展示会に適したタペストリーのサイズとは?作成・設置のポイントも解説

- 壁を傷つけないタペストリーの飾り方とは?

- アニメのタペストリーを自作する方法は?

- アニメのタペストリーの飾り方を解説!

- タペストリーとポスターの違いは?4つの違いを解説

- 壁に穴を開けないでタペストリーを飾る方法7選!部屋を傷付けずに楽しもう

- タペストリーの色あせ防止方法は?

- タペストリーの日焼け防止方法は?

- 壁に穴を開けないタペストリーの飾り方は?

- タペストリーの洗い方を解説!汚れを落とす方法は?

- お正月用のおしゃれなタペストリーの選び方を解説

- 結婚式用タペストリーのオーダー方法を解説

- お雛様用のおしゃれなタペストリーの選び方を解説



































































