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必勝だるまとは?意味や由来、目の入れ方などについてご紹介
必勝だるまとは?意味や由来、目の入れ方などについてご紹介
願い事をする際に「心願成就」という言葉があるように、何らかの目標を思い定めてその達成を祈る「願掛け」が古くから行われてきました。勝負事や試験合格や健康祈願など、さまざまな願い事がありますが、縁起物としても知られる「だるま」を用いた願掛けの方法も有名です。
願いが叶ったり目標を達成したりしたときに、だるまに目を描き込んで完成させるいわゆる「必勝だるま」ですが、これにはどのようないわれがあるのでしょうか。本記事では必勝だるまの意味や由来、そして目の入れ方などについて解説します。
必勝だるまとは?
まずは必勝だるまとは、どのようなだるまのことを指すのかご紹介します。
そもそも「だるま」とは、禅宗の開祖とされる5世紀頃の僧侶・達磨大師の姿を模した縁起物のことです。
ずんぐりした楕円状の赤い張り子に大きな顔がついており、厄除けや招福を願うものとして飾られるのが一般的です。だるまには全国各地の工芸品としてさまざまな種類がありますが、必勝だるまは胴部分に「必勝」と記して、勝負事や心願成就などの願掛けに用いられます。
また必勝だるまの大きな特徴の一つとして、黒目が描き込まれていないことが挙げられます。これは願掛けをする際に片目だけに黒目を入れ、願い事が叶ったり目標が達成したりした際にもう一方を描き込んで開眼させる、という意味があります。
必勝だるまの使用例
必勝だるまは、何らかの勝負事に対する願掛けに用いられることが多いです。特によく知られている使い方としては、スポーツの試合で優勝を願ったり、選挙で当選を願ったりする際に使用されるケースです。「必勝○○」と勝利を願う団体や人物の名を記し、試合や選挙の前に片目だけ黒目を描き込みます。
そして試合に勝ったり選挙に当選したりしたときに、願いが叶った証としてもう一方の黒目を描き込んで完成です。こうして開眼した必勝だるまはそのまま飾られることが多く、議員であれば事務所に当選の回数を示すものとして置かれるケースもあります。
だるまに込められた意味や由来
必勝の願いを込めた縁起物がなぜだるまなのかという理由については、モデルになった僧侶のエピソードが関係しています。だるまが禅宗開祖である達磨大師の姿を模したものであることは先に述べた通りですが、大師は9年間にもわたって壁に向かい座戦を組み続けたことが伝わっています。
その強く折れない精神力にあやかって大師の姿を模し、底が丸く倒れにくい置物の「起き上がり小法師」として作られたのがだるまの起源とされています。
赤い法衣をまとい、一心に修行に打ち込む達磨大師の姿になぞらえた縁起物で勝利を願うのが、必勝だるまの意味および由来といえるでしょう。
必勝だるまが普及した理由
古い歴史を持つだるまですが、必勝だるま自体の普及は昭和に入ってからのことです。諸説はありますが、選挙の際に立候補者が当選祈願のためにだるまを用いて目を描き込むようになったといわれています。
専用の必勝だるまを最初に作ったのは群馬県高崎の職人で、現在も高崎は必勝だるまの産地として有名です。
当時はテレビが普及してきた時期でもあり、高崎だるまに目を入れている当選者の姿がテレビを通して世間の目に映ることで、必勝だるまは全国へと普及していきました。
必勝だるまのデザインやサイズ
だるま自体には産地によっていくつかのデザインがあり、サイズも大小さまざまです。ただし必勝だるまについては一種の型のようなものがあり、赤色で胴体部分に「必勝」と記されているのが一般的です。
サイズについて明確な決まりはありませんが、市議会議員・町議会議員の選挙では高さ30~50センチメートル程度、市長・県議会・県知事選挙では30~55センチメートル程度、国政選挙では50~60センチメートル程度が一つの目安とされています。使用用途に沿って適したサイズの必勝だるまを選びましょう。
必勝だるまの目の入れ方
必勝だるまは最初に片方の目を黒く描き、願いが叶ったときにもう一方にも目を描きます。
正式に、左右の目どちらからという決まりはありませんが向かって右側、つまりだるまにとっての左目から入れていくのが一般的です。これはお寺にある仁王像の「阿形」が向かって右側、「吽形」が向かって左側に配置されるパターンが多いことに由来するという説もあります。ただし例外もあるため「絶対に左目から入れなくてはならない」というわけではありません。
必勝だるまの飾り方
必勝だるまの飾り方に関しても特に決まりはありません。神棚や部屋のよく目立つところなどに飾るのが一般的ですが、常に見える場所に置いておいて必勝への気持ちを高めるという使い方もあります。
通常のだるまは、一年でお焚き上げをする場合がありますが、必勝だるまは当選した後も飾ったり縁起物として関係者に引き渡されたりといったケースもあります。
まとめ
ここまで必勝だるまの意味や由来、目の入れ方などについて解説しました。
「必勝」と記された必勝だるまは「願いを叶えたい」「負けたくない」というときに適したものです。スポーツの試合や選挙、受験など、必勝祈願をする際に使ってみてはいかがでしょうか。
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