のぼり屋さんドットコムTOP > のぼりのノウハウ > のぼり旗を防炎加工する方法は?防炎加工をするべき理由や保管時の注意点も解説
のぼり旗を防炎加工する方法は?防炎加工をするべき理由や保管時の注意点も解説
のぼり旗を防炎加工する方法は?防炎加工をするべき理由や保管時の注意点も解説
飲食店などを宣伝する際に用いられるのぼり旗には、防炎加工を施すことで火の燃え広がりを防げます。必ずしも防炎加工が必要なわけではありませんが、のぼり旗を設置する場所によっては防炎加工が施されているのぼり旗が推奨されているので、チェックしておきましょう。この記事ではのぼりに防炎加工が必要な理由や推奨される場面、保管時の注意点を紹介します。火災を防ぐためののぼり旗の選び方や、適切な取り扱い方が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
防炎加工とは
防炎加工とは火種に触れたのぼり旗が燃え盛り、周囲に被害を広める事態を防ぐために施す特殊な加工です。防炎処理がない布製品が引火すると、炎上して他のものに燃え移り、大規模な火事を引き起こしかねません。
防炎加工を施したのぼりは一切燃えないわけではないものの、黒く焦げるか軽く燃える程度で済むため、大規模な火災を防ぎやすくなります。
防炎のぼりの見分け方
防炎加工が付いたのぼりは防災のぼりと呼ばれ、日本防炎協会の防炎製品ラベルが付けられるのが特徴です。防炎製品とは防炎規制の対象となる防炎物品以外の物で、日本防炎協会が防炎性能や安全性などの基準に基づき行う、毒性審査の認定を受けた物品を表します。
防炎製品の認定要件は次の通りです。
- 性能試験基準を満たす防炎性能等を有すること
- 一般毒性及び接触皮膚障害性を有しないこと
- 品質管理が適正であること
災害備蓄用毛布や防災テント、防災頭巾、消防隊員の防火服などと並び、のぼり旗も防炎製品の一種に数えられています。利用を検討するのぼり旗が防炎製品か知りたいときは、防炎製品ラベルの有無を確認すれば簡単に判別できます。
消防庁から認定を受けた業者でない限り、自社で製造した製品に防炎製品ラベルを付与する行為は認められません。消防庁から認定を受ける条件は日本防炎協会の登録試験に合格し、消防長官から「登録表示業者」と許可をもらうことです。
登録表示防炎加工を施したのぼり旗を求める際は、防炎ラベルの有無だけでなく、認定済みの業者の製品かどうかを確認しましょう。
※参考:公益財団法人日本防炎協会「防炎製品いろいろ」(参照2024-07-05)
のぼり旗を防炎加工するべき理由は?
先述の通りのぼり旗は、消防法により防炎加工が義務付けられる「防炎対象物品」ではないため、防炎加工を施さなくても違法行為に該当するわけではありません。しかし過去には引火して大規模な火災を引き起こした事例があることから、消防庁は防炎加工を推奨しています。
防炎加工したのぼり旗を使用するべき場所
消防法が定める防火対象物の内部では、防炎加工を施したのぼり旗の使用が推奨されています。不特定多数が出入りし、敷地が広大で巨大な建造物は、火災の発生時に甚大な被害が及ぶ可能性があるためです。
このため消防法では通常の建造物よりも厳しい防火規制を定め、法的に必要な措置を講じるべく防火対象物の制度を開始させました。
防炎加工したのぼり旗の使用が推奨される場所(防火対象物)の具体的な場所は、次の通りです。
- 高さ31mを超える高層マンション
- 病院、福祉施設、保育所など容易に避難できない人が利用する施設
- 百貨店、飲食店、旅館、地下街など不特定多数の人が出入りする場所
主な防炎加工の方法
のぼり旗に防炎加工を施す際は、繊維自体に防炎処理を施す方法と、製品化した後に防炎薬剤を噴射する二つの方法に分かれます。上記は先防炎と呼ばれる手法の一つで、その他にも防炎加工の手法には「後防炎」や「練り込み」があります。
各方法の概要やメリット、デメリットは次の通りです。
先防炎
先防炎は防炎加工の中でも一般的な方法で、印刷する前の素材に防炎処理を施す方法です。雨によるインクのにじみや色落ちを避ける屋外防炎加工をすることもできます。ガソリンスタンドや屋外イベントで使用するのぼり旗に施すと、効果を発揮するでしょう。
ひとたび屋外防止加工を導入すれば、屋内環境では半永久的に燃えにくく、炎が広がりにくいという効果を発揮します。屋外で使用する際は生地の経年劣化に伴い、防炎薬剤の塗装が徐々にはがれていきます。
何カ月も屋外に飾っていた使い古しののぼり旗は、十分な防炎性能を発揮できない可能性があるため、使用には注意が必要です。
後防炎
二つ目は印刷後に防炎剤に浸透させる「後防炎」と呼ばれる方法です。主に綿やレーヨン、ポリエステルの防炎加工時に用いられ、製品後に加工を施すことが名称の由来となっています。
具体的な方法はのぼり旗を防炎薬剤に浸して乾燥する手法の他、防炎薬剤と繊維を化学反応させる手法、のぼり旗の表面に薬剤を含む合成樹脂をコーティングする手法に分かれます。
後防炎は雨風の影響で防炎薬剤がはがれ落ちる危険があるため、屋内で使用するのぼり旗に向いています。
練り込み
練り込みは繊維自体に燃えにくい素材を含ませる加工処理の方法です。のぼり旗の場合、捺染(なっせん)インクと一緒に防炎薬剤を練り込む作り方が代表的です。
捺染印刷は布地の染色手法の一種で、繊維に塗料を押し当てて色素を吸着・結合させ、印刷する流れで行われます。
防炎加工したのぼり旗を保管する際の注意点
先述の通り後防炎で加工を施したのぼり旗は雨風の影響を受け、防炎薬剤のコーティングがはがれる可能性があります。使わない時は小まめに屋内にしまい込み、余計な水分や傷、汚れを防いで大切に使いましょう。
また洗濯やクリーニングは痛みの原因となり、防炎加工が落ちやすくなる他、製品自体の寿命を短くします。のぼり旗のシミや汚れが気になっても洗濯機などで洗わず、タオルで拭き取ったり、ぬるま湯で優しくすすいだりする程度にとどめましょう。
まとめ
のぼり旗の防炎加工は必須ではありません。しかし病院や地下、31階を超える高層マンションのような特殊な環境で使用する場合、火災の広がりを抑える製品の使用が推奨されます。特段のこだわりがなければ、使用シーンに限らず防炎製品ラベルが付与された防炎のぼり旗を採用した方が、万が一火災が発生した際のことを考えると良いでしょう。
防炎加工にはいくつかの方法があります。方法によっては屋外での使用に適さないものもあるので、防炎加工を施したのぼり旗を購入する際は、防炎加工の方法にも注目してみてください。
記事一覧
- インクジェット印刷とは?仕組みやメリット・デメリットを解説
- のぼりの耐久性はどのくらい?長持ちさせるコツや適切な交換タイミングを解説
- のぼり旗で集客を増やすには?製作のポイントを解説
- かっこいいのぼり旗をデザインするには?製作のポイントを解説
- のぼり旗を防炎加工する方法は?防炎加工をするべき理由や保管時の注意点も解説
- のぼり旗を雨の日に使用するには?雨対策の方法や注意点を解説
- のぼり旗を選挙で使用する際の制限は?違反にならないための対策方法も紹介
- 展示ブース作成のコツを解説!作成時の注意点も紹介
- ファブリックサインとは?メリット・デメリットとおすすめのシーン
- のぼり旗の設置に効果はある?のぼり旗を設置するメリットやコツを解説
- 選挙運動の事前準備について分かりやすく解説
- イベントの設営前に行っておくべき準備とは?作業の流れや用意が必要な備品を紹介
- 店舗づくりのコツとは?入店しやすい外観にすることが大切!
- のぼりの形ごとの特徴を紹介!用途によって使い分けよう
- 戦国時代ののぼり旗とは?人気武将ののぼり旗も紹介!
- のぼりの収納方法とポイントを解説
- 必勝だるまとは?意味や由来、目の入れ方などについてご紹介
- ゲートフラッグとは?使用用途や自分で作る方法をご紹介
- スポーツ関連の記念品にはオリジナルグッズを作ろう!
- Pバナーとは?デザイン性の高いのぼりでイベントや店舗をおしゃれに演出しよう!