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すぐ破れる・倒れるを解決!のぼり旗の「風対策」と長持ちさせる補強テクニック
更新日: 2025年12月 9日 13:08
すぐ破れる・倒れるを解決!のぼり旗の「風対策」と長持ちさせる補強テクニック

「せっかく作ったのぼり旗が、強風で1ヶ月も持たずにボロボロになった」
「風が吹くたびにのぼり旗が倒れていないか心配になる」
屋外に設置するのぼり旗にとって、最大の敵は「風」や「雨」といった悪天候です。
何の対策もしないまま標準仕様ののぼり旗を設置し続けると、買い替えサイクルが早まりコストがかさむだけでなく、最悪の場合、転倒による事故などのトラブルに繋がりかねません。
しかし、「縫製の選び方」や「設置器具の工夫」を少し変えるだけで、のぼり旗の寿命は劇的に延び、安全性も格段に向上します。
この記事では、プロが実践している「強風に負けないのぼり旗の作り方」と「倒れない設置テクニック」を徹底解説します。
のぼり旗の3大トラブル「破損・巻き上がり・転倒」の原因
対策をする前に、なぜのぼり旗がダメになってしまうのか、その原因を知っておきましょう。風によるトラブルは主に以下の3つに分類されます。
- 破損(ほつれ・破れ)
- 風にはためく際、生地の端同士が激しくぶつかり合うことで、糸が解けたり裂けたりします。特に、生地の端を熱でカットしただけの「ヒートカット処理(標準仕様)」は、強風が吹き続ける環境には不向きです。
- 巻き上がり
- 風にあおられた旗がポール(竿)にクルクルと巻き付いてしまう現象です。こうなると何が書いてあるか全く読めず、看板としての機能が失われてしまいます。
- 転倒
- 風の抵抗を受けたのぼり旗が、土台ごと倒れてしまう現象です。通行人や車を傷つける恐れがあり、最も避けなければならないトラブルです。
これらのトラブルは、「仕方ない」ものではなく、事前の準備で防げるものです。それぞれの対策を見ていきましょう。
【破損対策】寿命が3倍変わる?「補強縫製」の選び方
「のぼり旗は消耗品」と言われますが、標準仕様と補強仕様では寿命が大きく異なります。
風が強い場所(海岸沿い、ビル風のある場所、ロードサイドなど)に設置する場合は、以下の補強オプションを検討してください。
基本の「四方三巻縫製」とは

通常、激安のぼり旗は生地の端を熱で溶かして固める「ヒートカット」で作られます。これは安価ですが、強度はそれほど高くありません。
対して「四方三巻(しほうみつまき)縫製」は、のぼりの上下左右4辺を折り返し、ミシンで縫い付ける加工です。
- ヒートカット: 屋内や短期イベント向き
- 四方三巻縫製: 屋外常設向き(ほつれにくさが格段にアップ)
わずかなオプション料金で耐久性が大幅に向上するため、屋外で使用するなら迷わず選びたい加工です。
特に傷みやすい箇所を強化する「L字補強」
のぼり旗をよく観察すると、ボロボロになるのは常に「下辺」と「右辺(ポールの反対側)」からであることがわかります。ここは風の影響で最も激しくはためく部分だからです。
この弱点となる2辺(L字部分)のみを三巻縫製にする「L字三巻縫製(下・三巻)」という方法もあります。
コストと耐久性のバランスが良い、賢い選択肢の一つです。
【視認性対策】文字を隠さない「巻き上がり防止グッズ」
風でポールに巻き付いてしまったのぼり旗を、いちいち手で直しに行くのは大変な手間です。これを自動的に防ぐ便利なアイテムやスタイルがあります。
定番アイテム「巻き付き防止ストッパー(パッカー)」
今あるのぼり旗ですぐにできる対策が、「巻き付き防止ストッパー(通称:パッカー)」の装着です。
これは、のぼり旗の「チチ(白い輪っか)」の代わりや補助として、プラスチック製のパーツで旗の下部をポールに固定するものです。
旗の裾が固定されることで、風が吹いても旗全体がポールの方へめくれ上がるのを物理的に防ぎます。数百円で購入できるため、費用対効果の高いアイテムです。
スタイリッシュな「棒袋縫い」という選択肢

これからのぼりを作るなら、「棒袋(ぼうぶくろ)縫い」というスタイルもおすすめです。
これは白い輪っか(チチ)を使わず、生地そのものを袋状に縫ってポールを通す仕様です。
ポールと生地が密着しているため風の影響を受けにくく、そもそも巻き上がりが起こりづらい構造になっています。見た目もスタイリッシュで高級感が出るため、美容院やカフェなどにも人気です。
【転倒防止】強風でも倒れない「土台(注水台)」の適正重量
のぼり旗の転倒を防ぐカギは、土台(スタンド)の重量選びにあります。
「とりあえず安いから」と一番軽いタンクを選んでいませんか? 設置環境の風の強さに応じて、適切な重さを選ぶ必要があります。
【比較表】風の強さと推奨ウェイト重量

一般的な水を入れるタイプ(注水台)には、いくつかのサイズがあります。以下の表を目安に選定してください。
| 推奨タンク容量 | 適した設置場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 8L~10L | 屋内・風のない屋外 | 最も一般的で安価。風が吹く場所では不安定。 |
| 16L~20L | 一般的な屋外 | 標準的な屋外用。ある程度の風には耐えられるが、強風時は注意が必要。 |
| 30L以上 | 風が強い場所 | 非常に安定感がある。海沿いやビル風が強い場所におすすめ。 |
| コンクリート製 | 常設(移動しない) | 水漏れの心配がなく、重量も重い。耐久性最強。 |
「よく倒れるな」と感じる場合は、今のタンク容量が環境に合っていない可能性があります。ワンランク上の容量(重さ)への買い替えを検討しましょう。
既存のスタンドを補強する裏技
「タンクを買い換える予算がない」という場合は、現在の注水台の上に「ドーナツ型ウェイト(重石)」を追加する方法があります。
注水台の上から被せるように置くコンクリートやゴム製の重石で、1つあたり5kg~10kg程度の重量をプラスできます。これなら手軽に安定性を強化できます。
プロが教える「撤去すべき」悪天候の判断基準
どんなに頑丈な縫製をし、重い土台を使っても、自然の猛威には勝てない時があります。無理をして設置し続けると、ポールが折れたり、飛散して事故になる危険があります。
以下の状況では、迷わず「撤去(店内にしまう)」ことが、結果として一番の長持ち対策であり、安全管理です。
台風・暴風警報時は絶対撤去
気象庁から「暴風警報」や「強風注意報」が出ている時は、必ず撤去してください。
特に瞬間最大風速が15m/s~20m/sを超えると、人間が歩くのも困難になります。この状態で放置するのは非常に危険です。
夜間のしまい忘れに注意

「日中は穏やかだったのに、夜中に突風が吹いて朝来たら倒れていた」というケースは非常に多いです。
盗難防止の意味も含め、「閉店時には必ず店内にしまう」習慣をつけることが、のぼり旗を最も長く綺麗に使う秘訣です。毎日の出し入れが面倒な場合は、ポールごと抜き差しできる環境を整えておきましょう。
まとめ
のぼり旗の悪天候対策について解説しました。ポイントをまとめます。
- 破損対策: 屋外常設なら「ヒートカット」ではなく「四方三巻縫製」を選ぶ。
- 巻き上がり対策: 「ストッパー(パッカー)」を使うか、「棒袋縫い」にする。
- 転倒対策: 設置場所に合った「重量(16L以上推奨)」の注水台を選ぶ。
- 最終手段: 危険な風の日は「撤去する」のがプロの判断。
「たかがのぼり旗」と思わず、しっかり対策することで、コスト削減と店舗のイメージアップに繋がります。
まずは、今使っているのぼり旗の状態と、スタンドの重さをチェックすることから始めてみませんか?
よくある質問(FAQ)
Q1:すでにヒートカット(標準)で作ってしまったのぼりの補強はできますか?
A1: 基本的には完成後の追加加工は承っておりません。ご自身でミシンを使って端を縫うことで補強することは縫いしろがないためオススメはできません。最初から縫製オプション付きで注文する方が仕上がりも綺麗で手間もかかりません。
Q2:のぼりポール(竿)にも強風用があるのですか?
A2: はい、あります。通常のポールよりもパイプ径が太く、内部の被膜が厚い「強風用ポール」という商品があります。海沿いや高所など、常に強い負荷がかかる場所では、ポールも専用品を使うことをおすすめします。
Q3:雨の日ものぼり旗は出して良いのでしょうか?
A3: ポリエステルの生地自体は水に濡れてもすぐに乾きますが、濡れると重量が増し、風の影響を受けやすくなったり、排気ガスなどの汚れが付着しやすくなったりします。長持ちさせたい場合は、雨の日はしまっておくのがベストです。
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